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【民事信託その1】~民事信託?家族信託?商事信託?~
本日は、民事信託についてのおはなし。
信託について勉強している人でも、民事信託・家族信託・商事信託の3つの違いを明確に説明できる人は多くないように思います。かくいう私も、なんとなく区別できている程度です。
信託銀行や信託会社が「家族信託商品」を取り扱っていますし、数多ある信託に関する著書やサイトでも「民事信託=家族信託」と扱っているものが多いので、ことを複雑にする。
ですので、ここで遠藤英嗣先生のお力をお借りして、一度整理しておきたいと思います。
(参考文献:遠藤英嗣著「家族信託契約 遺言相続、後見に代替する信託の実務」2017年日本加除出版株式会社)
とはいえ、論文ではないので、ご参考までに。
第一に、商事信託と民事信託の区別。
これは、「受託者が誰か!?」が区別のポイントになります。
商事信託は、信託銀行や信託会社が受託者となり、信託業法の規制のもとで委託者から財産を集めて運用する営業信託です。そのため、手数料が発生しますし、扱う金額も大きくなります。
他方、民事信託は、信託銀行や信託会社以外の親族や法人が受託者となり、基本的には運用は予定されていないので、非営業信託になります。そのため、原則手数料は発生させませんし、金額も少額からで問題ありません。
第二に、民事信託と家族信託の区別。
巷では、ほぼ同義で使われていると思います。なので、ここでも名前に惑わされるのではなく、受託者に着目し、淡々と区別する。
すなわち、
◆信託銀行などが扱う家族信託商品で、受託者が信託銀行や信託会社なのは、商事信託としての家族信託
◆特定の家族(親族)のためだけの信託で、親族や法人が受託者となるのが、民事信託としての家族信託
という具合に区別すればよいのでしょう。
今日はここまで。
まだまだ民事信託の認知度は高くないですが、当協会では柔軟な制度設計を可能とする「新しい相続のかたち」として、民事信託の利用を推奨しております。手作りの民事信託制度の冊子もございますので、興味のある方は気軽にお問い合わせくださいませ。
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