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【2020年度】税制改正大綱(その①)

2019年12月17日更新

先日、自民・公明与党が来年度の税制改正大綱を発表しました。


改正点は色々ございますが、「相続」に関するものの改正もございましたので、ご紹介します。

 

■「所有者不明土地」への課税

 

これまでの固定資産税の課税対象者は、土地・建物の「所有者」でした。

 

実質的な所有者・使用者ではなく、登記簿上の名義人が「所有者」と判断されてきたので、もし相続が起こったとしても、相続登記が未了であり、かつ真の所有者がわからなければ課税できませんでした。

 

たとえ判明したとしても、その過程には膨大な時間や手間、費用が掛かることもありました。

 

すなわち、事実上その土地・家屋を使用したり、商売に使っていたりしていることがわかっても、課税できなかったのです。

 

これでは、税金を支払わずに土地・家屋を利用できるという不公平な状況が生まれてしまいます。

 

そこで、

【ポイント1】

固定資産税を適正に徴収できるように、相続人に対して、登記前に「住所」「氏名」などを条例で自治体に申告することを義務付ける制度が設けられました。

 

さらに、

【ポイント2】

戸籍などで所有者の調査をした結果、真の所有者が判明しなかった場合には、「使用者」に課税できる制度が設けられました。

 

超高齢化社会において、日々全国の至るところで相続は生じています。

 

都心部ならまだしも、地方の不動産を相続した場合には、諸費用の方が高くなってしまう場合もあり、相続人が登記をしないケースも多いと聞きます。


実際に、総務省の発表によると、「所有者不明土地」は全体の約2割もあるそうです。

 

税金は国にとって重要な収入源なので、逃げ得をゆるさない制度とも言えそうですね。


次回は「空き地」に関する改正についてご紹介しましょう。


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