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定期借地権を利用した相続税対策②-4

2019年10月03日更新

今回で難しいお話は終わります。

 

・ポイント④ 借地権の譲渡・転貸

 

第十九条 

借地権者が賃借権の目的である土地の上の建物を第三者に譲渡しようとする場合において、その第三者が賃借権を取得し、又は転借をしても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡又は転貸承諾しないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる

この場合において、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、賃借権の譲渡若しくは転貸を条件とする借地条件の変更を命じ、又はその許可を財産上の給付に係らしめることができる。

 

ここで、

「譲渡」とは、借地人が借地権を売買などにより第三者に移転することであり、

「転貸」とは、借地人が地主との間の借地関係を維持したまま、第三者に自己を貸主として借地を賃貸することです。

 

以前もご紹介しましたが、地上権は自由に譲渡・転貸できます。


ところが、土地の賃借権の場合には、地主の承諾なしには譲渡・転貸できないのである。

 

もし、承諾なく無断で譲渡・転貸したうえで使用させた場合には、地主は借地契約を解除することができます(民法612条)。とはいえ、法14条の建物買取請求権は行使できます。

 

Qでは、承諾が得られなければ八方塞がりになるか?

 

いいえ、困ったら裁判です。「借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず」地主が承諾しない場合には、これに代わる裁判所の「許可」をもらえれば、適法に譲渡・転貸が可能になります。

「賃借権譲渡許可申立事件」ですね!

 

意外と借地関係は多く、不動産登記実務においても、法19条の「許可書」はよく目にします。添付書類に使うかどうかとは別次元で、実体上(取引上)必要となる書類です。

 

以上で、普通借地権のお勉強は終了です。

 

次回からいよいよ【定期借地権】を見ていきましょう!!


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