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定期借地権を利用した相続税対策②-1
今回は、3 普通借地権 から一緒に勉強しましょう。
3 普通借地権
存続期間については、前回のブログでご紹介しました。ここでは、普通借地権の(私が重要だと思う)ポイントを4つご紹介します!
・ポイント① 正当事由
要件事実を勉強したことのある方ならば、まずご存知かと思います。6条の規定ですね!
下記に少し学術的(実務的)観点から考察を加えます。
(借地契約の更新請求等)
第五条 借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、建物がある場合に限り、前条の規定によるもののほか、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、借地権設定者が遅滞なく異議を述べたときは、この限りでない。
(借地契約の更新拒絶の要件)
第六条 前条の異議は、借地権設定者及び借地権者(転借地権者を含む。以下この条において同じ。)が土地の使用を必要とする事情のほか、借地に関する従前の経過及び土地の利用状況並びに借地権設定者が土地の明渡しの条件として又は土地の明渡しと引換えに借地権者に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、述べることができない。
借地借家法の5条では、契約更新の場面における借地関係の安定を図っている。
具体的には、
借地上に「建物がある場合に限」ってではあるが、借地権者が更新請求するか土地使用を継続した場合には、原則的に従前と同一条件での契約が更新されたものとみなされます。
これに対して、
借地権設定者が拒絶するためには、「正当の事由」をもって遅滞なく異議を述べなければなりません。
この正当事由の有無の判断にあたっては、司法研修所編「紛争類型別の要件事実」によりますと、
a【基本的判断事由】
・「借地権設定者及び借地権者(転借地権者を含む。以下この条において同じ。)が土地の使用を必要とする事情」
b【補完的判断事由】
・「借地に関する従前の経過及び土地の利用状況並びに借地権設定者が土地の明渡しの条件として又は土地の明渡しと引換えに借地権者に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出」
という関係に立つので、aで判断し難い場合に、初めてbを考慮できると解されているそうです。
★小括
→要するに、借地権者に出て行ってほしい地主さんは、
①
更新請求か使用継続に対して「遅滞なく異議を述べた」こと
②
更新を拒絶するにつき「正当の事由」があることを基礎づける評価根拠事実
の2つを主張する必要があるのです。
次回は、ポンポンポンとライトな3つの条文を確認しましょう。
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